1997年、ギタリスト佐藤紀雄の呼びかけによって集まった、無類の個性豊かな演奏家によって結成されたアンサンブル。「NOMAD」(遊牧、漂流)の名にふさわしく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリーを自在に採り上げ、斬新なアイデアやテーマによるプログラムによって独自の世界を表現するアンサンブルとして内外から注目されてきた。
2002年に行った定期演奏会「ケージとメシアンの間で交わす自然と宇宙に関する往復書簡」は大きな反響をよび、サントリー音楽財団「第2回佐治敬三賞」を受賞。2008年の『武満 徹作曲賞』の最終審査会では演奏を担当し、審査委員のスティーヴ・ライヒ氏から“次はノマドと一緒に演奏会を開きたい”と絶賛される。2015年に行った定期演奏会「再生へVol. 3:祈り~エストニアから震災復興を祈るコンサート」により「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞した。海外からの招待も多く、2000年オランダの「ガウデアムス音楽週間」、2003年ベネズエラで行なわれた「フェスティバル・アテンポ」、2005年11月パリで行われた「フェスティバル・アテンポ」およびイギリスの「ハダースフィールド現代音楽祭」、2007年にはメキシコの「モレリア音楽祭」、また2008年10月にはソウルでの「パン・ムジーク・フェスティヴァル」などに出演。2009年秋には、中国の北京首都師範大学、北京中央音楽学院、四川音楽学院で中国人作品を中心としたプログラムの公演を行ない、好評を博した。2011年には2度目の韓国公演を開催。2013年7月にはエストニアとオランダで公演を開催。2014年にはメキシコのセルバンティーノ音楽祭に日本を代表するアンサンブルの1つとして招聘された。2015年12月に再び中国四川公演を行い、2020年には「ライプツィヒ現代音楽祭」にonlineで参加。2023年11月には3度目の四川公演を行った。今後もフランス、ブラジル、メキシコ、スペインなどでの公演を予定している。
また、近年ではアウトリーチ活動にも積極的に取り組み、保育所、病院、小学校、特別支援学校等で訪問コンサートやワークショップを行なっている。
CDは、近藤譲「梔子」(ALCD-47)、「空の眺め」(ALCD-57)、「オリエント・オリエンテーション」(ALCD-67)、「表面・奥行き・色彩」(ALCD-93)、石田秀実「神聖な杜の湿り気を運ぶもの」(ALCD-60)、池辺晋一郎「炎の資格」(CMCD-28121)、福士則夫「花降る森」(CMCD-28128)が発売されている。海外では2011年秋にエベルト・ヴァスケスの「Bestiario(動物寓話集)」、2015年秋に「Pruebas
de vida(生命の証)」がリリースされている。2014年にはオリジナル・アルバム「めぐる-Meguru」を発売。2015年夏から秋にリリースされた「現代中国の作曲家たち」シリーズは、レコード芸術誌の特選盤や朝日新聞の「for your collection」推薦盤に選ばれている。