第82回定期演奏会
女性作曲家を特集するプログラムをつくったが、最後に武満 徹が偏愛してやまなかった女性詩人エミリー・ディキンソンの自然と愛を謳った詩から発想を得て作曲されたビオラとピアノ曲を演奏する。このプログラムでは、傑出した才能と知性を持ちながら、社会のなかで自分を消して生きることを宿命づけられた多くの天才的女性が心の中で発したであろう「私もここにいるわ!」の叫びに寄り添った。「私もここにいるわ!」、この言葉は、類まれな文才に恵まれたカーライルの妻ジェーン・ウェルシュ・カーライルが唯一手にする事ができた表現手段であった手紙のなかにそっと置かれていた。佐藤紀雄
パウロ:女性たちは教会においては黙りなさい。彼女たちは語ることを許されていません。(新約聖書:コリントの信者への手紙)
「しきりに迫害されている詩作の能力というものに注目してみますと、 -(中略)- 私はこの能力が多くの人から咎められ非難されるのを見るにつけ、これがもたらしうる害にはどんなものがあるのか、意を尽くして探してみましたが、何ひとつ見つけられませんでした。」ソル・フアナ(『知への賛歌 修道女フアナの手紙』旦 敬介訳/光文社文庫)
これは世界にあてたわたしの手紙です わたしに一度も手紙をくれたことのない世界への… やさしい威厳をもって 自然が語った簡素な便りです…
エミリー・ディキンソン(亀井俊介編/岩波文庫)
2024年10月5日(土)
13:30 開場 14:00 開演
東京オペラシティ リサイタルホール
チケット:【前売】一般¥4,000
大学生¥2,000
高校生以下¥1,000
【当日】一般¥4,500
大学生¥2,500
高校生以下¥1,500
(就学前のお子様の同伴・ご来場はご遠慮下さい)
【チケット取り扱い】
東京オペラシティ・チケットセンター
Tel:03-5353-9999
【マネジメント・お問い合わせ】
Inés Badalo:Cartografía Volátil after Sergei Prokofiev
ガブリエラ・オルティス:デニベ - ユカナナ(1999)-日本初演
Gabriela Ortiz:Denibée-Yucuñana
渋谷由香:ファウンド・シェイプ(2023)-日本初演
Yuka Shibuya:Found Shape
小栗舞花:誰かさんの産声(2021)
Maika Oguri: First Cry of a Stranger
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)/編曲:深澤 舞:おお、智慧の力よ
Hildegard von Bingen (arr. Mai Fukazawa):O Virtus Sepientiae
山口恭子:溶解炉(2024)-アンサンブル・ノマド委嘱作品 -世界初演
Yasuko Yamaguchi:Schmelzofen
武満 徹:鳥が道に降りてきた(1994)
Toru Takemitsu:A Bird Came Down the Walk
<出演者>
Ensemble NOMAD
木ノ脇道元(fl) 菊地秀夫(cl) 野口千代光・花田和加子(vn) 甲斐史子(va) 佐藤洋嗣(cb) 中川賢一(pf) 宮本典子(perc)
佐藤紀雄(cond)
Guests
林 憲秀(ob) 小栗舞花(perc)
*曲目・曲順・出演者は変更になる場合があります。